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おならのクラクションでテスラ58万台近くがリコール

今となっては実装できたことのほうが不思議ですが…。

テスラが2020年12月のアップデートで実装した「おなら」の音がリアルすぎてまったく警告の役目を果たさず、むしろ歩行者に車の接近を告げるPWS(歩行者警告システム)の音がかき消されて衝突リスクが高まることが米運輸道路交通安全局(NHTSA)の調べでわかり、米国の対応モデル57万9000台がリコールになりました。

おならサウンドは外付け警告音スピーカー「Boombox」で選択できる効果音のひとつ。対応モデルは2020年~2022年製のModel S、Model X、Model Yと、2017~2022年製のModel 3。PWSが適切に耳に届かない部分が安全基準に違反するとNHTSAが判断したものです。

PWSの接近音自体も馬のひづめの音などにカスタマイズして遊べるので(種類はこんなに!)、車に注意するってよりは、馬がいないか見回してしまったりもしますし、それとリアルなおならがコンボできた日には…ね…。

おならのクラクションでテスラ58万台近くがリコール

無償アップデートで修正対応後は、運転中この機能自体が無効になります。もうこんなドッキリもできません。

せっかく面白いもの用意したのに冗談の通じないやつらめ…とイーロン・マスクCEOは寂しそう。もちろん人の命に関わることなので、そうも言ってられないんですけどね、はい。

リコールの嵐

それにしても続きますね、テスラ車のリコール。毎朝毎晩ニュースになっていて、おいおい、どのリコールの話だよ…と、ついていくのがやっとです。

ここ半月だけでも、すでに4回。先月31日には停止線で完全停止しない問題で5万3822台がリコール。今月3日には一定条件下でシートベルト装着アラートが鳴らなくなる不具合で81万7143台がリコール。今日はおならのリコール。さらにオートパイロット使用時の急ブレーキ(ファントムブレーキ)の件も正式に捜査開始。

どうしてこんなに? 急に粗が出てきたの? 急に細かくなったの? どっち? …と思ってしまいますが、イーロン的にはテスラ車を「キラーロボット」と呼んだこともある強硬派Missy Cummings氏をNHTSAが昨年10月上級アドバイザーに迎えた関係で急に締め付けが厳しくなったという見方らしいですよ(NY Post)。

でもまあ、2018年にはオートパイロット使用時の事故の件で国家運輸安全委員会会長と対談中、怒って電話を切ったりもしていますし(Bloomberg)、自分から敵を作ってしまってるところもありそう。目が離せません。

Sources: NPR、NY Post、Bloomberg

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