冷蔵庫の中をチェックしてみましょう。
電話やメールだけで異変察知は難しい
「変化はないか?」という目で実家を観察することをお勧めします。
Aさんのケース:冷蔵庫内がグチャグチャだったことから体調異変を発見
「実は、口止めされているけれど……」と前置きした後、このところ母親は体調が悪く、床に臥せていることが多く、父親が家事を行っているのだと打ち明けました。
だったのでしょう。
Bさんのケース:冷蔵庫内に同じ食パンが大量に。認知症が判明
同じ銘柄の食パンが袋のまま、所狭しと並んでいたのです。封が開いているものもありますが、買ってきたままのものも。
カビがはえていました。Bさんは途方に暮れつつも、それらを捨て始めました。すると、そのようすを見た母親は「何をするの?私の朝ごはんよ」と制止……。
地域包括支援センター(高齢者の相談窓口)に電話をしました。「『そのようすでは認知症かもしれないので、受診するように』とアドバイスを受けました。地元の専門医を教えてくれたので、帰省している間に連れていきました」とBさん。
。その他、「おせち料理は毎年手作りする母親。黒豆や田作り(ごまめ)は得意料理。それなのに、冷蔵庫に買ってきたパックが入っていて驚いた。ムリして作る必要はないけれど、作れない何かが?」と気になって母親に問いただしたところ、「最近、疲れやすくて」と話し始めた、というケースもありました。
水まわりや車庫のキズもチェック
トイレや浴室の掃除の状態なども普段の生活を垣間見るのに参考になります。きれい好きな親の水回りが汚れていると何かあるかもしれません。
車庫の壁に新しいキズがないかも要チェック。「車庫の壁面がキズだらけだったので、買い物にいくときに助手席に乗ってみたら、ヤバい運転で。免許の返納を勧めた」という人もいました。
「あれっ」と思ったら日付と内容をメモ!
帰省時には、こっそり(親が気分を害さないよう)観察してみてください。そして、気がかりなことがあれば、確認をする。Bさんのように、地元の地域包括支援センターに相談すれば、プロの視点で受診やサービス利用を提案してくれることもあります。
あれっ」と思ったことは、日付けとその内容をメモ書きしておくといいでしょう。そういう気づきは意外と当たっています。積み重なれば、「あれっ」を感じさせる背景がはっきりしてくることもあります。
地域包括支援センターや親のかかりつけ医に相談に行きましょう。今後のなすべきことを一緒に考えてくれるはずです。