カーオーディオ機器の取り付けにまつわるセオリーやウンチクをさまざま紹介しながら、カーオーディオの面白さとカーオーディオ・プロショップの価値とを明らかにしようと試みている当連載。まずは「メインユニット」の取り付けに関するいろいろを解説している。
さて、今回から数回にわたり、トヨタ車の純正ディスプレイオーディオをテーマに据えてお贈りする。これをさらに楽しむためのコツから交換の可否、さらには交換可能な場合の注意事項等々を解説していく。
まずは、トヨタ車の購入を検討しているドライバー諸氏に向けて、これの利点と不利点とを説明していく。
ところでトヨタ車の純正ディスプレイオーディオは、スマートフォンとのリンクが前提となっている。つまり「Apple CarPlay」、および「androidauto」が使えるようになっていて、対応するスマホアプリをディスプレイオーディオの画面上で便利に操れる。例えばナビアプリの地図を画面に映し出せ、目的地設定も車載機の画面上でのタッチ操作で行える。また、ミュージックアプリや音楽ストリーミングアプリもディスプレイ上で操作可能だ。かくして、「車内でスマホアプリを快適に使えること」が、最初に挙げるべき利点だ。
また、ナビ機能やCDメカ等を搭載しなくて良いので価格が抑えられる。このことも大きなメリットだ。
ちなみに、ミュージックアプリや音楽ストリーミングアプリをBluetooth接続する場合にも、曲送り等の基本操作を車載機側で行えるが、アプリの機能のすべてを操作できるわけではない。対して「Apple CarPlay」と「androidauto」では、アプリの機能をほぼすべて車載機の画面上で操作可能だ。その意味では、Bluetoothよりも利便性が高い。
というわけで、「ナビはスマホアプリで良い」と考える人にとって、そして「ドライブ中に音楽を聴く際にはスマホアプリを使っている」というドライバーにとっては、トヨタ車の純正ディスプレイオーディオは良いことずくめだ。
しかしながら、高性能な市販ナビを使い慣れている人からは、ナビアプリの使い勝手に不満が出がちだ。また、車内で映像系コンテンツを楽しみたいと考える人からも、ディスプレイオーディオは不評だ。なぜなら「Apple CarPlay」と「androidauto」は基本的に、映像系アプリには対応していないからだ。その上、HDMI端子はおろか外部入力端子も不装備だ。スマホ以外と接続する必要性がない、という判断からだろう。なので、スマホのミラーリングやスマホ以外の外部機器の接続を行えない。
つまり、「ナビはスマホアプリに限定されること」と「映像系コンテンツが楽しみにくいこと」が、トヨタ車純正ディスプレイオーディオの不利点だ。
なので、ナビやCDプレーヤーや地デジチューナー等はオプションでの用意がある。それらを使うという手ももちろんあるが…。
今回はここまでとさせていただく。次回は、これら不利点への対処法を1つ1つ紹介していく。お楽しみに。