さまざまあるカーオーディオの専門用語について、それぞれの意味を1つ1つ解説している当連載。現在は「アクセサリー」に関連した用語にスポットを当てている。今回は、音を良くする効果を発揮する「音質向上アクセサリー」について説明していく。
「アクセサリー」の中には、音を良くするためのアイテムもある!
さて、カーオーディオにおいて「アクセサリー」という言葉は、以前にも説明したとおり「周辺パーツ」というニュアンスで使われることが多い。つまり、メインユニットやパワーアンプ、スピーカーといった何らかのメカを持つ主要ユニット以外の、それらを動作させるのに必要なパーツ類のことが総じて「アクセサリー」と呼ばれている。で、その中には「音質向上アクセサリー」と呼ぶべきアイテムも存在している。
どのようなものがあるのかを紹介していこう。まずはこちら、モレルやアークオーディオといった欧米の人気カーオーディオブランドの製品を正規輸入しているジャンライン&パートナーズがプロデュースしている気鋭ブランド、プロローグの『EWA-1』から。
これは、「電磁波吸収アーシングボード」と銘打たれた製品で、外部からカーオーディオユニットに影響をおよぼそうとする電磁波をブロックできるアイテムだ。クルマの中にはさまざまなノイズ発生源がある。各電装品や、発電のためのオルタネーター、またハイブリッド車では大容量のバッテリー、これらからは大なり小なり電磁波が出ていて、それがカーオーディオ機器に影響し知らず知らずのうちに音を濁す。
しかし例えば当品をパワーアンプの下に敷くと、外部からの電磁波を吸収する効果を発揮するので、音が良くなる。サウンドがよりクリアになり、演奏の抑揚表現が高まるのだ。
『EWA-1』は、ノイズ除去機能も発揮する!
ところで『EWA-1』は、ただ敷いて使うだけでのものではない。簡単に接続できるアーシングシステムも備えていて、それとパワーアンプやプロセッサーと接続することでさらなるノイズ除去効果を発揮する。
なお、このアーシングシステムの使い方は2とおりある。電源端子と接続する方法と信号端子と接続する方法のいずれかを選べる。なので使用の際には、その両方を試した上でより効果の大きい方を選択したい。で、その判断は経験を積んだプロに委ねることが推奨されている。ゆえに当品はプロショップ経由でしか販売されていない。
ちなみに当アイテムは、ホームオーディオ用のさまざまな「音質向上アクセサリー」を開発しているエスカートの製品がベースになっている。つまり『EWA-1』はそのチューンナップバージョンだ。ジャンライン&パートナーズとエスカートとの共同開発によりカー用に最適化されて完成されている。
そしてそのホームオーディオ用の「電磁波吸収アーシングボード」はすでに、多くの愛好家に使われている。つまり、実績ある製品というわけだ。
ところで、現行モデルの『EWA-1』は実は、在庫が僅少だ。なぜならちょうど今、第二世代モデルが開発中でその完成が間近だからだ。で、気になる新製品の発売時期は今のところ、11月中が見込まれている。ちなみに次世代モデルではサイズが見直されていて、使用範囲が一層広くなるという。興味があれば新製品の発売開始のニュースが流れた後に、取り扱いショップやイベント会場等で効果のほどを体験してみよう。その耳で音の違いを実感できたら、ぜひともゲットを。
カーオーディオユニットのノイズレベルを下げられるアイテムもある!
続いては、光城精工の『ve-02』を紹介しよう。当機は「車載用ボディアース強化BOX」と呼ばれるもので、カーオーディオ機器のノイズ対策を行える。当機を用いると、カーオーディオ機器がノイズを持ちにくくなる。
これが音に効く仕組みは以下のとおりだ。当機の内部には、銅×5枚+黄銅(真鍮)×5枚+ステン(SUS)×1枚という計11枚のプレートが0.5mm間隔でセットされていて、これにてアンプ等の機材の表面積を増やす効果を発揮する。結果、機材の抵抗値を下げることができ、ノイズレベルが下がるのだ。
ちなみに、使い方は以下のとおりだ。パワーアンプ等のマイナス電源端子と当機とを繋ぐだけで良い。通常の「ボディアース」の配線はそのままでOKだ。なお当機は第二世代機で、初代機ともどもヒット。多くのカーオーディオフリークに愛用されている。
他では、イース・コーポレーションが正規輸入している台湾のシックスエレメントというブランドの「A.I.S 音響改善システム」も人気を集めている。
同社の各製品が効果を発揮するメカニズムは次のとおりだ。それぞれはシリコンをベースに作られていて、そのシリコンに天然レア素材のランタノイドが添加されている。そしてこれがマイナスイオンを大量に放出し、その働きによりアイテムを装着した部分の電気の流れがより活性化する。結果、音がクリアになり解像度や情報量が上がるのだ。
なおシックスエレメントは、形や装着方法等々が異なるさまざなアイテムを多彩にラインナップしている。興味があればこれについても、取り扱っているカーオーディオ・プロショップでぜひ1度効果のほどを体験してほしい。その上で効き目に納得できたら、手頃なアイテムから使ってみよう。ちなみに同社からもホームオーディオ用の製品がさまざまリリースされていて、専門誌でも高い評価を受けている。効き目については折り紙付きだ。
今回は以上だ。次回以降も分かりにくい専門用語解説を続行する。乞うご期待。
太田祥三|ライター大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集者としてキャリアを積む。カー雑誌、インテリア雑誌、そしてカーオーディオ専門誌の編集長を歴任した後、約20年間務めた会社を退職しフリーに。カーオーディオ、カーナビ、その他カーエレクトロニクス関連を中心に幅広く執筆活動を展開中。ライフワークとして音楽活動にも取り組んでいる。