イヤフォン → コロナ禍でコミュニケーションが困難になる場面も…雑踏やBGMで“会話が聞き取れない”APDの当事者たち

コロナ禍でコミュニケーションが困難になる場面も…雑踏やBGMで“会話が聞き取れない”APDの当事者たち

配信

6コメント6件

笑歩さん

 「寝ぼけているんじゃないの?とか、お前バカなんじゃないの?ということを言われると傷つく」。【映像】聞こえるのに聞き取れない症状「APD」とは 当事者が語る苦悩...社会の理解は? YouTuberの笑歩さん(24)は長年APD(聴覚情報処理障害)という、音や声は聞こえるのに相手が何を話しているのか理解できない症状に苦しんできた。居酒屋などの賑やかな場所、あるいは静かな場所でも複数の人が発言する会議の場でも、話が理解できないことがあるという。それはちょうど、携帯の電波が悪いときに近い感じなのだという。

どんな時に聞き取れない?

 「渋谷とか新宿みたいに街中に大きなテレビがあったりするところとか、BGMが流れている店内で、人の会話が聞き取れないということがある。名詞が落ちるような感覚なので、前後が聞き取れればなんとかなる。でも大事なところが抜け落ちると、聞き返さざるを得ない」。 笑歩さんが初めて異変に気づいたのは高校生のとき。「友達に、話聞いていないよね?とか、適当に相槌打っているよね?と言われることがあって。えっ、そうなの?これ普通じゃないの?という感じだった」。

コロナ禍でコミュニケーションが困難になる場面も…雑踏やBGMで“会話が聞き取れない”APDの当事者たち

笑歩さん

 耳鼻科で聴力検査を受けても結果は正常。以来、複数の医療機関で10回以上受診したが、原因すらわからない状況が続いたという。しかしネットで調べるうちにAPDの存在を知り、22歳のとき、診断を受けた。「モヤモヤが晴れたので、あっ、そうだよねと確信した。分かってよかったと感じた」。今は自身の経験をもとにAPDの理解を広めるべく、YouTubeなどを通じて困り事などを発信している。

■「複合的なところに原因がある可能性」

阪本准教授

 大阪市立大学大学院の阪本浩一准教授(耳鼻咽喉病態学)は、難聴とAPDとの違いについて「“聞こえにくい”という点では同じだが、一般に難聴というのは、外耳、中耳、内耳の付近で何らかの原因を起こしていることを呼んでいる。一方、一般にAPDは聴覚器官には異常がなく、いわゆる中枢に問題があって聞き取りにくい症状を起こしていると考えられている。 例えば英語が苦手だと英語を聞いても分からないが、あれもいわばAPDだ。要するに、音は聞こえているけれど語彙がない。そのように、複合的なところに原因がある可能性がある」と話す。

1/3ページ

最終更新:ABEMA TIMES
タグ: