撮影=川崎さちえ
スマートフォンやPCで音楽を聴いたり、オンライン会議をする機会が多くなり、それに伴ってイヤホンもかなり充実している。音質や耳へのフィット感、もちろんデザイン性なども問われるいま、無印良品からは「モバイルイヤホン マイク付」が販売されている。日常生活の様々なところで活躍する無印良品の製品のなかで唯一販売されているイヤホンはどのような使い心地なのだろうか。【写真】無印良品「モバイルイヤホン」をし装着した様子<無印良品の「モバイルイヤホン マイク付」の価格や付属品を確認> 「モバイルイヤホン マイク付」は990円(税込)で販売されている。昨今、イヤホンは100円ショップの110円のものから、大手メーカーの数万円もするようなものまで販売されており、安すぎるとすぐに壊れてしまうのではないか? と思う反面、高価すぎてもなかなか手が出ないというジレンマがある。そのなかでこの990円という価格設定は、決して高くもないし、すぐに壊れてしまうような値段でもないため、一度買ってみてもいいかなと思える価格帯ではないだろうか。 箱の中には本体とイヤーピース、説明書が入っている。イヤーピースはXS、S、M、Lの4種類があり、買った時点で本体に装着されているのはMサイズだ。 もし耳に合わないようならば、サイズを変えて使おう。 保証書は、購入したときにレシートのような形でもらうことができる。保証期間は1年なので、大切に保管しておこう。<フィット感は良い。頭をふっても落ちない> まずは耳へのフィット感を確かめてみた。押し込む形で耳に入れてみると、フィット感は悪くない。筆者は耳の穴が小さいようで、イヤホンの形(イヤーピースの形)によってはすぐに落ちてしまうのだが、頭を動かしても落ちなかった。 ただコードが服などに当たると、ガサガサという音が響くので少し気になってしまう。これは音質の問題ではなくて、コードが揺れてイヤーピースに伝わることによる雑音。これに関してはほかのイヤホンでも同じ問題が発生するだろう。<音質、使用感は?> 筆者はiPhone 8を使用しており、イヤホンジャックがないため、パソコン(iMac Retina 5K, 27-inch, 2020)で音質を確認してみた。音質は、低音がしっかり響いてくるので音楽を楽しむには全く問題なかった。個人的には990円の価格から考えても満足のいく音質だ。 使用感としては、有線イヤホン全体に言えることだが、コードが邪魔になってしまうことがある。 腕がコードに当たるとガサガサと音がしてしまうし、マウスに当たってしまうのでコードとマウスとの距離感は重要だ。 また、筆者は音楽を聴きながらのウォーキングを日課にしているのだが、このコード問題は体を動かす際にも気になった。体や腕を動かすこともあってコードが服に当たってしまい、その度にイヤーピースの雑音が耳に入ってしまうのだ。もう音楽どころではなくなってしまい、この点は残念でならない(筆者の耳の形とイヤーピースがうまくフィットしていない可能性もあるため、あくまで筆者の感想ということになる)。<マイク、コントローラー付きだが不便なところも> マイク付きリモートコントローラーがついていて、コントローラーボタンを1回押すごとに音楽や動画の再生/一時停止や着信/通話終了を操作できる。音量の調整や音楽や動画の早送り、スキップはできないので、これはちょっと不便かもしれない。<(番外編)イヤホンジャック変換ケーブルを使う際の注意点> 「モバイルイヤホン マイク付」は直径3.5mm金メッキステレオ4極ミニプラグ仕様だ。まずは自分が使っているパソコンやスマホに接続できるのかを確認しなければならない。 前述したとおり、筆者はiPhone 8を使っているので、このままでは接続できなかった。そのため変換するためのケーブルが必要になるのだが、あいにくApple純正のものが壊れてしまっている。 そこで見つけたのがダイソーの「ライトニング対応イヤホンジャック変換ケーブル」だ。価格は550円。変換ケーブルに関してはスマホの機種によって異なるため、使えるものを各自用意する必要がある。 筆者はダイソーの「ライトニング対応イヤホンジャック変換ケーブル」を購入してみた。ただ、この製品には難点が1つある。電話での通話などに対応していないのだ。iPhone 8に接続した際、一時停止や再生のコントロールボタンが機能しなくなった。 ただ、音質に関しては低音も響くし雑音もせず、快適な音質だ。音楽鑑賞のみで使用するのであれば、550円で買えるため、お買い得だと思ってしまった。 無印良品の「モバイルイヤホン マイク付」は、990円という価格からすれば、フィット感もよくかなり音質のいいイヤホンと言えそうだが、有線であることの煩わしさやイヤホンジャックがないスマホに接続する場合には変換ケーブルが必要になることなどの手間がある。普段使用しているイヤホンが壊れてしまったときや、予備として有線イヤホンを持っておきたいときの購入にはちょうどいいかもしれない。 欲を言うならば、この音質や価格に期待し、次はワイヤレスイヤホンをお願いしたい。そう思っているのは、きっと筆者だけではないはずだ。
川崎さちえ
最終更新:リアルサウンド