19日に全国で梅雨明けが発表され本格的な夏の暑さがやってきました。19日には東京都など合わせて21の都府県に熱中症警戒アラートが発令され、夜になっても25度を超える熱帯夜にも注意が必要です。パナソニック株式会社は、睡眠の実態を把握すべく全国の20歳以上の男女548名を対象に行った調査結果を発表すると共に、睡眠改善インストラクターによる『熱帯夜の快眠マニュアル』を公開します。 睡眠の満足度に関する調査では、66%と7割近くの人が「全く満足度していない」「あまり満足していない」と答えており睡眠負債を抱えていることが分かりました。その原因について、4割超が「暑さ」と回答しており、6月下旬と夏本番前にも関わらず暑さにより寝苦しさを感じ始めていることが明らかになりました。一方、暑さが原因で眠れていないにも関わらず、睡眠時にエアコンを一晩中つけっぱなしにしている人は3割以下となり、つけっぱなしにしない理由として半数が「直接風が当たり冷えすぎるのが嫌だから」と回答しました。
コロナ禍の感染不安や外出自粛によるストレスでの睡眠の満足度の低下に関する調査では、6.6%が「頻繫にあった」28.8%が「時々あった」と回答しており約3割以上が影響を受けていたことが分かりました。熱帯夜で寝苦しいときは、エアコンを上手く活用することで眠りやすくなります。ここからは、パナソニック 睡眠改善インストラクターの菊地真由美より、夏にエアコンを上手く活用し快眠できるコツをお伝えします。 パナソニック 睡眠改善インストラクター 菊地 真由美パナソニック アプライアンス社 コンシューマーマーケティングジャパン本部 商品センター マーケティング企画部所属。家電を使って睡眠環境を向上させるため、より専門的な知識を得たいと睡眠改善インストラクター(日本睡眠改善協議会認定)の資格を取得し、「快眠環境サポートサービス」を立ち上げる。同社内でも社員の睡眠の悩みに答える「眠りの先生」で、睡眠環境づくりに関する相談役も務めている。① エアコンは寝室に入る30分前にON、上に向けて風をあてておく一般的には、室温26~28℃が心地よく眠れる環境だといわれていますが、温度同様に重要なのはエアコンを運転させるタイミング。ついやりがちな間違いが、布団に入ったタイミングでスイッチを入れること。日中に室内に溜め込んだ熱が、夜になっても天井や壁にこもっているため寝るタイミングでエアコンをつけても、室温が下がるまでに時間がかかることがあります。寝室に入る30分前にエアコンをONにし、上に向けて風をあてておくのが、効率よく良い睡眠環境を作るコツです。② タイマーは設定せず、設定温度は26度~28度に快適な寝室環境を保つには、冷房モードで設定温度を26~28℃にするか、除湿モードに。特に熱帯夜は途中で運転を停止する設定にはせずに、冷えすぎない温度で朝までつけっぱなしにしましょう。途中で運転を停止してしまうと、その後室温が上がると共に寝苦しくなり途中で目覚めてしまう原因になります。理想は、就寝中も寝室の温度をコントロールすること。就寝前は少し温度を下げることで深部体温を下げ、就寝中は温度を下げすぎず、目覚めに向けて少しずつ温度を上げることです。そうすることで、快適に就寝でき、さらに目覚めがよくなります。③ 湿度は60%以下に保つ夏場は湿度が高くなりやすく、寝苦しくなりがちです。湿度が高すぎると、途中で目覚めてしまう原因にもなります。夏場は、寝室の温度だけでなく湿度にも注意しましょう。寝室の湿度は60%以下に保つことが重要です。湿度が高い時はエアコンの温度を下げる、または、エアコンを除湿運転する、といった対応をおすすめします。④ 扇風機との併用使いのすすめ前述の調査結果で、エアコンを一晩中つけっぱなしにしない理由として、半数が「直接風が当たり冷えすぎるのが嫌だから」と答えたように、エアコンの風が苦手という人も多くいるかもしれません。そういった方は温度を下げすぎてしまっていることも考えられます。エアコンの温度設定は下げすぎず、ただ、どうしても室温が高くて寝入りが悪いという方は、扇風機を併用することもお勧めです。その際は、表面に太い血管の通っている足首あたりに風を当てると深部体温が下がりやすく寝入りが良くなります*。*風を長時間体に当てないでください。健康を害することがあります。⑤ 寝る1時間前までにバスタブで入浴、温度は夏でも38~40℃深部体温をスムーズに下げるためには、反動を利用するのがコツ。意外と大切なのがバスタブに浸かって入浴することです。夏でも38~40℃のお風呂に、10~20分ほどつかるのがおすすめ。入浴することで深部体温は約0.2~0.3℃上がるといわれており、一度上がった深部体温は反動で下げようとする体の性質があり、この落差が寝入りやすさにつながります。上がった深部体温は約1時間ほどかけて徐々に下がり、この時に眠気が高まるのでタイミングを逃さず布団に入れるように、入浴時間を調整してみましょう。また、深部体温を下げるために入浴前から寝室とリビングをエアコンで快適な温湿度にしておくこともポイントです。夏場はシャワーだけという場合でも、足首・手首・首の後ろなど太い血管が通っている部分に合計5分ほど少し熱めのシャワーを当てることで、効率よく深部体温を上げることができます。夏はシャワーしか浴びない、という人はお湯を当てる位置と時間を意識してみましょう。⑥ リビングや浴室の照度は控えめに夜間は目から入る光の量が減るほど、睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌されやすくなります。入浴前に、リビングの照明をリラックスできるオレンジ色などにしておきましょう。また、浴室内は天井も低く、照明器具が目に近いところにあるため、入浴時に浴室の電気が明るい場合は、照明を消して脱衣所の灯りだけにするか、浴室用の防水間接照明を利用するのも効果的です。ただし、照度を落とす場合は十分に周りに気をつけてください。⑦ パジャマはゆったりとした長袖・長ズボンが理想的質の良い睡眠のためにパジャマは大きな役割を果たします。睡眠中には、コップ一杯の汗をかくといわれています。大量の汗をかくことで、背中と敷き布団の間の湿度が高くなり寝苦しさを感じるため、しっかり汗を吸ってくれる綿やシルク製のパジャマの着用がおすすめ。夏には「半袖・半ズボン」という人も多いですが、寝具から出た手首や足首に直接冷気が当たり体を冷やし過ぎてしまい、快眠が妨げられてしまうことがあります。また、全身にかく汗を吸収するためにも、夏でもゆったりとした長袖・長ズボンが理想的です。⑧ 在宅勤務の人は「入眠儀式」を意識すべし寝入りを良くしてぐっすり眠るためには、『入眠儀式(ルーティン)』というものも大切です。寝る前に習慣的に同じことをすることによって、脳が『これから寝るんだ』というモードに入り、より眠りやすくなります。例えば、部屋着と寝間着が同じでそのままベットや布団に入るという人は、寝間着を別に用意しておくのがおすすめ。部屋着から寝間着に着替えるという『儀式』を行うことで、脳のスイッチを切り替えるきっかけにしましょう。最近では、在宅勤務の方も増えているため、部屋着のまま仕事をしたり、部屋で過ごし、そのまま寝ている人もいるかもしれません。そうなると、脳のスイッチが切り替わらずにいつまでも寝られない、ということが起きてしまいます。「在宅勤務になってから寝付きが悪くなった…」など、睡眠に関する不調を感じる方は、この『入眠儀式』をつくってみると良いかもしれません。 ■「睡眠に関する実態調査」概要●調査地域:全国●調査期間:2021年6月21日●調査方法:インターネット調査(協力:ジャストシステム)●調査対象:20歳以上の男女●有効回答:548名※調査結果を引用いただく際は「パナソニック調べ」を引用元として記載ください。