“グーグルらしさ”が詰まった1万円台の完全ワイヤレスイヤホン「Google Pixel Buds A-Series」
グーグルが、左右独立スタイルの新しい完全ワイヤレスイヤホン「Google Pixel Buds A-Series」を発売する。価格が初代「Google Pixel Buds」のおよそ半額に迫る「Googleの1万円台のワイヤレスイヤホン」が、どこまでの実力を備えているのかレポートしたい。
初代Pixel Budsの先進性を継承したハイCPイヤホン
Aシリーズといえば、Google Pixelシリーズのスマートフォンにも同じ“廉価版”のaシリーズがある。イヤホンのAシリーズもまたスマホと同様、廉価版でありながら先行モデルが特徴としていたグーグルらしい先進機能を惜しみなく詰め込んだ。
なおイヤホンのAシリーズが発表された直後から、Google Storeでは初代のPixel Budsが購入できなくなっている。イヤホンのAシリーズは廉価版と言うよりも、価格がますます手頃になった後継機として位置付けるべきだろう。
新旧イヤホンの差分を見ていこう。
イヤホンと充電ケースのデザインはほぼ一緒だが、AシリーズはイヤホンのカラーバリエーションがClearly WhiteとDark Oliveの2色に絞り込まれた。
初代機はイヤホンの本体をツートンカラーにしていたが、Aシリーズは単色になった。耳に触れるイヤホン本体の内側は光沢仕上げとしている。表側のマット仕上げとの対比が楽しめる。
日本では2020年夏に発売された初代「Google Pixel Buds」
ケースからワイヤレス充電の機能が省かれたため、Aシリーズはイヤホンとケースを合わせたトータルの質量が初代機よりも13.8gほど軽い。手に持つとわずかにその差が感じられた。イヤホンの質量もAシリーズの方が0.24gほど軽くなっているが、こちらは気が付かないほどの変化だ。
ワイヤレス充電は、必要な人にとってはなくなると困る機能かもしれない。Google Pixel 5が搭載する、バッテリーシェア機能による緊急チャージもできないことは、筆者も少し心許なく感じる。
Pixel Budsシリーズは、左右イヤホンの側面パネルがタッチセンサーリモコンになっていて、スマホによる音楽再生やハンズフリー通話の操作が、スマホの画面に触れなくてもできる。Aシリーズでは、タッチセンサーリモコンの左右スワイプによる「音量のアップダウン」操作が省略された。筆者はスマホをバッグやポケットに入れたまま、屋外を移動しながら音楽やラジオを聞くことも多いので、リモコンによる音量操作はよく使う。なので、この機能がないこともまた残念に思う。
他にもイヤホンのマイクが赤ちゃんの泣き声、犬の吠える声、緊急車両のサイレンを検知した時に、自動的に音楽再生のボリュームを一時的に下げる「アテンションアラート」の機能がAシリーズにはない。初代機が生産を完了したことを踏まえると、アテンションアラートが利用できる現行のPixel Budsが、取りあえず消滅したことになる。
両側イヤホンの側面にタッチセンサーリモコンを内蔵。タップ操作による音楽再生・ハンズフリー通話コントロールが可能だ
初代のPixel Budsに搭載されていた「アテンションアラート」がAシリーズからは省かれている