有名なスポーツ用品メーカーNikeは、今年5月、アップルと提携し、同社の主力商品であるスポーツウエアとiPodを連動させる新しいコンセプト「Nike+iPod」を発表した。このコンセプトに従った最初の商品が、このNike+iPod Sport Kitと、Nike+シリーズシューズだ。
Nike+iPod Sport Kitは、iPod nanoとNikeの「Nike+」対応スポーツシューズを通信キットで、歩いたり、走ったりした際のデータを無線でiPodに転送するためのキットだ。ハードウエアとしてはただそれだけのものなのだが、このキットを取り付けたiPodとシューズを付けてジョギングしたり、歩いたり、あるいはその後iPod nanoをPCにつなぐだけで、本当にいろいろなことができるようになる。
たとえば、iPodを使ってお気に入りの音楽を聴きながらランニングができるのはもちろん、いつ、走った後で、何キロ、どのくらいのペースで走ったのか数字だけでなくビジュアルに見られるようになるし、走っている最中に、今、目標に決めた距離や、消費カロリーまであとどのくらいかというようなことを音声で教えてくれるのだ。
強烈に、ジョギングやウォーキング好きのユーザーにとっては、モチベーションを高めてくれるきっとだ。まさにコンセプトと、ソフトウェアの勝利といえるプロダクトといえるだろう。
筆者もジョギング好きでときどき公園などを走るのだが、使ってみてこのキットのすばらしさに本当に感動して、周囲に薦めまくっているところだ。
このキットは、Nike+対応シューズに取り付ける、大きさ3センチ×2センチ程度の小さなセンサーと、iPod nanoに取り付ける同じく大きさ2センチ×2センチ程度のレシーバーからなっている。
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センサーには、(発表されていないので何軸なのかは不明だが)加速度センサーと、2.4Ghzの電波を発する無線インターフェースが内蔵されており、ユーザーが歩いたり走ったりするとスイッチが入り、そのデータをレシーバーに送るようになっている。
このセンサーを使うには、まず、シューズに取り付けるのだが、Nike+対応シューズには、中敷を持ち上げると内部にセンサーを取り付けるためのくぼみがあり、センサーと同じ大きさのフォームが埋め込まれている。Sports Kitを使用するには、このフォームを取り出して、代わりにSports kitのセンサーを取り付けるようになっている。
このセンサーを取り付けられるシューズは、ナイキのシューズの中でも、「Nike+」というシリーズとなっており、対応シューズ以外では、取り付けくぼみはないので注意が必要だろう。
ちなみに、Nike+対応シューズとしては、メンズでは、今回レビューに使用したAir Zoom Moire+のほかに、これもズームエア搭載のランニングモデル Air Zoom plus、ランニングモデルではないがエアバッグをヒール全体に配置した180度エアマックスのAir max 180+、クッション性に優れたジョギングシューズ Air zoom 90 Laceが販売されている。また、レディスにも、Air Zoom Moire+、Air Zoom plus、Air max 180+、それにAir zoom 90 Lace+がラインアップされている。
なお、このセンサーは、電池交換ができなくなっており、また、レシーバーはセンサーとセットになっているものしか使用できない。つまり、電池切れの場合はもう一度レシーバーとセンサーの両方を購入しなおす必要があるわけだ。
バッテリー寿命は実働1000時間以上とされており、1日1時間ランニングをしても3年以上は持つ計算になるが、普段使いにシューズを使っていた場合はそれよりも早く電池が早く切れることもありうる。気になる場合は、ランニングやウォーキングをするときだけセンサーをシューズにセットし、それ以外のときは靴に付属しているフォームに入れ替えてほうがほうがいいかもしれない。