イヤフォン → 小型なのに巨大スピーカーが鳴る! MYTEK次世代オーディオ「Brooklyn Bridge/AMP」に驚く

小型なのに巨大スピーカーが鳴る! MYTEK次世代オーディオ「Brooklyn Bridge/AMP」に驚く

DACとしてのBrooklyn Bridgeの実力は?

ポール・マッカートニー「手紙でも書こう」。冒頭のドラムスのブラシが非常に生々しい。ベースの雄大さ、輪郭の切れ、音階感がアキュレイトだ。ポールのヴォーカルが暖かく、声の階調感が細やかで、「LETTER♪」の語尾の感情を込め消えゆく様が、とても丁寧に再生される。音場はセンターヴォーカルが大きな体積を占め、その音像の肉付き感も緻密だ。間奏のダイアナ・クラールのピアノが明晰で、スウィンギーなニュアンスが十分に表現されている。私の家の環境では、この音源の持つ、オーディオ的な情報性と、感情的な情緒性を本DACは見事に表出していた。

小型なのに巨大スピーカーが鳴る! MYTEK次世代オーディオ「Brooklyn Bridge/AMP」に驚く

佐藤俊介/イル・ポモ・ドーロのJ.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調。ピリオド奏法によるバッハの同曲の最近の傑作盤だ。まさにこれぞピリオドだと快哉を叫ぶような音楽的な勢いの強さと躍動感、俊敏感が非常に生々しい。ディテールまでの情報性と、バッハの音楽としての峻厳性、そして快適に音楽を進める進行力の強さを、本DACは見事に再現している。ガット弦ならではのメタリックで、鋭い輝きが感動的。

ジュゼッペ・シノーポリ/ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団の歌劇「マクベス」前奏曲。この曲は、優しいカンタービレの部分とトゥッティによる大音量が交互に出るワイドなDレンジ感が特徴だ。冒頭のファゴットとクラリネットの同調的な音色の微妙な滑らかさ、それと対比するトゥッティの荘厳さ、壮麗さ……本DACの音楽的なダイナミックレンジ表現力の広大さには感動する。その後の短調の弦のメロディの哀愁の表情もいい。

ではMQA-CDはどうか。カール・ベームの名盤、ベルリン・フィルを振ったモーツァルト:交響曲第40番ト短調(1961年12月録音の世界遺産的録音だ)の第1楽章。 冒頭のかそけきヴァイオリンの二重ユニゾンから生じる倍音がこれほど、華やかに音場に拡散するとは。MQAならでのまさに音楽的な名技であり、それを正しくデコードする本DACとのハイテクニックな合わせ技にまずは感心する。MYTEKはMQAの初期から熱心に取り組んでいたが、そのエッセンスが本演奏で十分に発揮されている。

MQA再生時にはロゴが表示される

MQAのもうひとつの特徴である臨場感再現でも、まさに眼前にオーケストラを見ているかのようだ。音の時間軸の精密化による、空気感再現の格別さを、本DACはまさしく正しく再現している。「MQAはMYTEK」という世評を裏切らない音だ。

ここまでのチェックをまとめると。従来から高音質で定評のあるブルックリンDACのまさにそのままのパフォーマンスを確認することができた。オーディオ的な記号性と音楽的な記号性が高い次元でバランスしていることが、うちのシステムで再生して深く認識できた。

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