ホームシアター向けプロジェクタの進化の方向性として近年は「4K」「HDR対応」がメインテーマとなってきた。この点について、いまだ「疑似4K」対「リアル4K」の戦いは継続中なワケだが、ここにきて新しい技術テーマが台頭しつつある。
それは「レーザー光源」である。
ソニーは「4K」「HDR対応」を「リアル4K」で実現し、さらに光源を「レーザー光源」としたモデルとして「VPL-VW5000」を2016年末に投入。しかし、価格が800万円と一般家庭では手の届かないクラスの製品であった。
その後、同じ要素を備えた「VPL-VZ1000」も2017年春に発売。こちらは「床置き設置専用」「超短焦点モデル」というユニークな商品価値を伴ったモデルで、価格は220万円。
VPL-VW5000VPL-VZ1000VPL-VW5000とVPL-VZ1000は、それぞれがやや異なったユースケースを想定された製品なので同一評価軸で並べて評価するのは難しいが、それでも「4K」、「HDR」、「レーザー光源」という3要素を全て取り揃えたモデルが200万円台になってきたという事実は、ホームシアタープロジェクタファンからすればワクワクさせるものがあった。「近い将来、レーザー光源搭載モデルが、頑張れば買える価格帯にやってくるのかも」という期待感がもたらされたのだ。
そんなファンの目の「キラキラ」が収まらぬうちに、ソニーは今年、また新製品を投入してきた。それが「VPL-VW745」である。「4K」「HDR」「レーザー光源」を搭載して170万円。プロジェクタの歴史において「100万円台に入って来た技術」の普及の加速度は凄く早いのだ。
発売は12月だが、販売店の予約でも150万円程度となっており、世の大画面☆マニアはかなり盛り上がっているはず。かくいう、筆者も本格的に導入検討に入っている。
ということで、いつもは製品発売後に家庭でじっくり評価する本連載だが、発売前のVPL-VW745をソニーの評価室で体験し、開発チームに気になることをアレコレ聞いてきた。
ソニーのプロジェクタ開発拠点 厚木テクノロジーセンターで、画質担当の酒井氏、設計担当の宮野氏、商品企画担当の吉江氏に話を聞いた