イヤホンやヘッドホンを買う時によく目にする「3.5mm」「ステレオミニプラグ」「3極」という単語。よくよく見ると2極や4極もあるし、3.5mmじゃないものもある。自分が使用しているデバイスに対応していない場合があるので、イヤホンの購入時には確認が必要だ。今回はこの「イヤホンのプラグ」について紹介していこう。
基本用語を解説! イヤホンプラグやステレオミニプラグとは何か
イヤホンプラグやステレオミニプラグとは、イヤホンのケーブル先端にある金属部分のことだ。プラグを差し込む穴はジャックと呼ぶ。
イヤホンプラグは正式名称をフォーンプラグという。電話交換機に使われたことからこう呼ばれている。対して、ジャックをフォーンジャックと呼ぶこともある。
ステレオミニジャックはステレオミニプラグを挿し込むジャック部分のことで、イヤホンジャックも意味は同じ。単純に部品の名前を指すこともあれば、3.5mmのステレオミニプラグに対応しているジャックをもつ変換ケーブルや延長ケーブルを指すこともある。
イヤホンプラグ(フォーンプラグ)の種類を簡単にチェック!
プラグには以下のサイズがあるので覚えておこう。
■6.3mm(1/4インチ)……標準サイズ
■3.5mm……ミニプラグと呼ばれるサイズ
■2.5mm……ミニミニプラグと呼ばれるサイズ
さらに2極/3極/4極などでも種類が分かれる。「極」というのはどういう意味かを、「3極」を例に解説していこう。
まず「3極」は、1つの端子で3つのチャンネルを扱えるものだ。もし手元にスマホに接続できるイヤホンがあれば、端子部分を確認してみよう。黒や白の横線が2本入っていて、金属部分が3分割されているものが3極だ。4極は横線が3本入っていて4分割されている。
たくさん種類があって迷うかもしれないが、一般的にスマホなどで使うイヤホンは「3極」ということを覚えておこう。なお、iPhoneに付属している「EarPods」は、扱う信号の数が多いため4極になっている。「極は違うけどiPhone以外の機器でも『EarPods』は使えるのか?」という疑問が出てくるかもしれないが、CTIA規格に対応したスマホやオーディオ機器なら使用できる。
ステレオミニプラグは、イヤホンなどの一般的な小型機器に用いられている3.5mmの3極プラグだ。商品名やスペックに「3.5mm」と書いているので、ステレオミニプラグを探している時はサイズもしっかり確認しよう。
【参考】DuKabel「3.5mmステレオミニプラグ」(Amazon)
ステレオミニプラグのことをステレオプラグと呼ぶこともある。
2極プラグは基本的にモノラル用なので、ステレオ用途には不適合。間違って購入しないよう気をつけよう。
3極プラグには一番先端のL(左チャンネル)・中央のR(右チャンネル)のプラスと、一番根本の部分のGND(グランド)というマイナスがある。このプラスとマイナスは電池と同じだ。
この仕組みを知っていれば、もしイヤホンが断線しても自分で配線をプラグと繋いで修理は可能だ。しかし、間違うとイヤホンが再起不能になる場合もあるので、専門業者に修理を頼むか新しいものを買ったほうが確実だろう。
4極は3極プラグのL・R・GNDに加えてMIC(マイク)が入ってくる。ただし4極にはL・R・GND・MICの「CTIA」と、L・R・MIC・GNDの「OMTP」の2種類の規格がある。間違えると音が出ない、マイクが使えないといったことが起きるので注意してほしい。
もしCTIAとOMTPを間違えた時は、極性変換プラグを使えば解決できる。
イヤホンプラグ(フォーンプラグ)を延長して便利に使おう
イヤホンやヘッドホンが短い時は、延長ケーブルを使えば解決できる。コードが長いイヤホンを購入する方法もあるが、普段使う時に邪魔になるので、延長ケーブルの使用もおすすめしたい。
【参考】充電不要で音途切れもなし!有線イヤホンの延長コードの賢い選び方
F-FACTORY「3.5mm ステレオミニプラグ (オス) - 3.5mm ステレオミニジャック (メス) ステレオミニプラグ延長ケーブル 1m」(Amazon)
プラグを挿し込む部分が2つ以上に分かれているタイプもある。イヤホンとスピーカーに分配したり、2つのイヤホンを挿してそれぞれ音楽を聴いたりもできる。
【参考】Syncwire「2分配ケーブル 高音質ステレオミニプラグ」
3.5mmのプラグに取り付けて6.3mmに変換するプラグもある。規格が合わない時は、このような変換プラグで対応しよう。ステレオミニプラグのイヤホンを標準ジャックのアンプに接続する時などに役立つ。
【参考】Hemao「ステレオミニプラグ 変換 3.5mm ⇒ 6.35mm」(Amazon)
こちらは4極を「マイク+イヤホン」に分岐させるものだ。これを使えば4極プラグのイヤホンマイクを、マイクとイヤホンのジャックが分かれたPCに接続できる。
【参考】Guoxin「3.5mmオーディオ変換ケーブル ヘッドセット用変換アダプタケーブル」(Amazon)
壊れたイヤホンプラグを交換する方法はある?
イヤホンプラグが壊れた時、自力で修復できそうならパーツを買って交換する方法もある。ただしハンダなどの工具が必要になる場合が多いので、取り扱いには注意が必要だ。
イヤホンは安いものだと数か月で、しっかりしたものでも数年で寿命を迎える場合がある。原因の1つはプラグの経年劣化だ。接触が悪くなることもあれば、折れることもある。しかしプラグ部分のみを換えるのは素人には難しいので、新しいものを購入するのがおすすめ。ただし、接触不良の場合はプラグの掃除で改善することもある。
【参考】メーカー別にチェック!イヤホン断線時の修理窓口と保証制度
イヤホンプラグは意外と汚れが溜まっている。ティッシュで軽く拭き取るだけでも接触不良が直ることがあるので試してみてほしい。電子部品の汚れを取り除ける「接点復活剤」を使うと、さらに改善が見込まれる。
いっそのこと自力でフォーンプラグを作る方法もある。作るのは大変だが、プラグによって音質に変化が出ることもあるので、自分好みの音を追求してみたい人なら自作にチャレンジするのも1つの手だ。
自作に必要なプラグや配線部分のケーブルは、Amazonや楽天市場などでも購入できる。自作、交換、修理といったキーワードで検索すると探しやすい。
【参考】ANE「ステレオミニ L型プラグ 3.5mm レッド 自作用」(Amazon)
自作する場合に理解しておく必要があるのが極性だ。先ほど「極」について簡単に解説したが、より専門的なことを解説しているサイトで事前に勉強しておこう。
今回はいろいろな種類のプラグを紹介したが、一般的には「ステレオミニプラグ」「3.5mm」と書いてあれば、まず音楽を聴くには困らない。万が一、間違って買ってしまった場合も変換ケーブルや変換プラグを使えば捨てずに済む。プラグについてよく分からない時は、この記事を参考にして製品を選んでみてほしい。
※データは2020年6月上旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用、操作はあくまで自己責任にてお願いします。
文/ねこリセット