Bang & Olufsen(バング&オルフセン、以下、B&O)と言えば、オーディオマニアなら知らない人はいないだろう。1925年に設立されたオーディオブランドで、デンマークにその本部を構えている。最近はアウトドア用のBluetoothスピーカーやワイヤレスイヤフォン、インイヤーヘッドフォンなども販売しており、意外と身近なところの製品もリリースしている。
そんなB&Oが、初のゲーミングヘッドフォンを発売した。その名は「Beoplay Portal」で、同社のヘッドフォンシリーズである「Beoplay」の名前が使われている。しかもBluetooth接続の他、2.4GHz帯でXbox Series X|Sへの接続にネイティブ対応する。ゲーミングヘッドフォンとして随分と本格的ということで、その実力を試してみた。
ただし今回はXbox Series X|Sを用意できなかったので、「Xbox ワイヤレス アダプター for Windows 10」を使ってWindows 10搭載PCで検証した。
バング&オルフセンジャパンから発売された「Beoplay Portal」のパッケージ。写真のBlack Anthraciteに加え、Grey MistとNavyの3色が用意されるまずはスペックから見ていこう。Beoplay Portalのサイズは約167.3(幅)×92.6(奥行き)×178.7(高さ)mmで、ケーブルを省いた重量は約282gと軽い。耳を全部覆うオーバーヘッド型だが、強く押さえつけられる感覚もなく、しっかりとホールドしてくれる装着感だ。ネオジウム磁石を使った直径40mmのエレクトロダイナミックドライバーは、20〜2万2000Hzまでの再生に対応する。インピーダンスは24Ω±15%で、感度は95dB@1kHz/1mWだ。
ダミーヘッドに装着したところ。ホールド感のある着け心地だ直径40mmのエレクトロダイナミックドライバーを採用するイヤーカップは、耳当て部がレザータイプの作りで柔らかくもしっかりと密着してくれる。内部にはRとLの文字があるので、どちら向きに装着すればいいのか分かりやすい。B&Oのロゴが配置された金属部は、ここをダブルタップすると、Xboxとのダイレクト接続ではマイクのミュート、Bluetooth接続では音楽の再生や停止、電話の着信応答が可能だ。
イヤーカップにはロゴがあしらわれ、タッチ操作に対応する内側にRとLの文字がある。2台まで同時接続可能なマルチポイント機能、Google Fast PairやMicrosoft Swift Pairにも対応するまたカップサイドにはタッチバーが用意されており、右側は音量の上げ/下げ、左側はアクティブノイズキャンセリング(ANC)/外音を取り込む透過モードの調整ができるようになっている(左はアプリ経由で割り当てを変えられる)。音量の上げ/下げは便利で、最初こそ触る位置に戸惑うものの、使い慣れてくると親指でぐりぐりなでれば調節できるので便利だ。
Beoplay Portalの右イヤーカップに電源スイッチがあり、これを押すと電源が入って自動的に接続される。有線接続と無線接続に対応し、有線接続は付属のUSB Type-C→Type Aケーブルの他、3.5mm端子のケーブルを使う。有線接続でも電源を入れないとヘッドフォンは使えない。USBケーブルを差すと充電でき、3時間で満充電となる。
右のイヤーカップにUSB Type-C端子、3.5mm端子、電源ボタン、音量調節のスライドバーが並ぶ左イヤーカップにANC/透過モード調整スライドバー、Xbox接続ボタンが用意されるヘッドバンドは圧力を軽減するオフセットパッドが採用され、内側に竹繊維を使用し通気性と耐久性に配慮する3.5mmのオーディオケーブル(約1.25m)と、USB Type-C→Type Aケーブル(約1.8m)が付属する無線にはBluetooth 5.1と2.4GHz帯を利用してXbox Series X|SとXbox Oneへのワイヤレス接続(以下、Xboxワイヤレス)がある。Bluetoothでの接続では、SBCとAAC、aptX Adaptiveのコーデックに対応する。aptX Adaptiveでつながる機器を持っていれば、ハイレゾ音源を聞くことも可能だ。筆者の持っているスマートフォン「Xperia 10 II」はLDACとaptX Adaptiveに対応しており、Beoplay Portalを使ってハイレゾサウンドを楽しめた。
Xboxワイヤレスだが、Xbox Series X|Sなどのゲーム機本体に加え、冒頭に述べたXbox ワイヤレスアダプター for Windows 10でも利用できる。連続再生時間だが、Xboxワイヤレス+ANCで最長12時間、luetooth+ANCで最長24時間、Bluetoothのみで最長60時間となっている。
ちなみにWindows 10はaptXに対応しているので、aptX Adaptiveとは後方互換で高音質なサウンドを楽しめるが、Windows 10側もBeoplay Portal側も、どの接続方法でつながっているのかが分からない。このため接続方法を知りたい場合は、インジケーターなどで表示に対応しているデバイスを使うしかない。このあたりはなんとかならないものかと思う。ただaptX Adaptiveには対応していないので、ハイレゾクラスの音を聞きたければ、aptX HDなどに対応したBluetoothトランスミッターを使おう。
Bluetoothで接続した際は、「Beoplay Hand-Free AG Audio」がデフォルトに設定されてしまうこともあり、これを利用している場合は“超”が付くほど音が悪くなる。このため音質がひどい場合は、コントロールパネルの「サウンド」から、「再生」の項目を確認し、「Beoplay Portal Stereo」を規定のデバイスに選んでおこう。
また両イヤーカップには音声用とANC専用のMEMSマイクが内蔵され、ビームフォーミング技術を生かすことでアーム先に配置されたマイクを使わなくても、明瞭に声を伝えられるという。実際に試してみたが声はクリアーに聞こえ、ゲーム内のチャットやビデオ会議も不安なくできる。マイクアームがあるとヘッドフォンを置くときに邪魔になりがちなので、これはよい点だろう。
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