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Jabra人気完全ワイヤレス『Eliteシリーズ』が一新。生活変化で需要高まる“通話”を強化

Jabra完全ワイヤレス「Eliteシリーズ」が一新する

Jabra人気完全ワイヤレス『Eliteシリーズ』が一新。生活変化で需要高まる“通話”を強化

Jabraの完全ワイヤレスイヤホン「Eliteシリーズ」が一新し、この秋、「Elite 7 Pro」「Elite 7 Active」「Elite 3」の3モデルが登場する。Elite 3の装着イメージなぜ、従来から人気の高いEliteシリーズの完全ワイヤレスイヤホンを一新したのか? その背景には、昨今のライフスタイルの変化とともに、イヤホン市場にも変化が起きているからだという。PHILE WEBでは、Jabraの製品担当者にインタビューを実施。新製品開発に至った背景とともに、上位機のElite 7 Proに搭載される新技術「Jabraマルチセンサーボイス」の詳細など、新たなEliteシリーズについて詳しく伺った。■ユーザーニーズに合わせた3つのカテゴリ「Elite」「Active」「Pro」に分類して製品展開新Eliteシリーズでは「Elite」「Active」「Pro」と3つのカテゴリーを設けており、それぞれターゲットとするユーザー層のニーズに合わせたサウンドや機能性を持たせている。「Elite」はマス市場の若年層を対象にしており、Jabraとしてはこれまでにないターゲット層に向けた新カテゴリー。担当者によると、完全ワイヤレスイヤホンが市場のメインストリームとなりつつあることから、より幅広いユーザーにとって手に取りやすく、楽しめる製品展開が必要だと考えたのだという。おかげで、1万以下の価格帯でJabra品質を体験できる「Elite 3」が登場することとなった。なお、Elite 3の詳細はインプレションと合わせて後述する。「Active」はいわゆるスポーツ仕様で、日常的にワークアウトを行うユーザーに向けたモデル。Jabraではこれまでにも、製品名の後ろに「Active」とつけたスポーツモデルを展開しており、高評価を得ている。激しい動きでも外れにくいフィット感や耐久性に重きを置いて開発されている。そして「Pro」はJabraの技術力を結集し、音質はもちろん、通話性能をより高めて追求する上位カテゴリーとなる。もともと通話に関しては定評のあるJabraだが、より使いやすくクリアな音声通話の実現を目指して力をいれている。通話性能の強化・向上の背景には、昨今のライフスタイルの変化が大きく影響していると担当者は説明する。「リモートワークが増え、家族とも直接会う機会も減り、通話自体のニーズが拡大している。これまで以上にイヤホンを使った通話品質に、高いレベルが求められている」とし、定評あるJabraの通話技術をより高めることで、そのユーザーニーズに応えようというのだ。そこで、Proカテゴリにラインナップされる「Elite 7 Pro」は、通話性能の強化のために「Jabraマルチセンサーボイス」と称する新たな技術を採用した。Jabraマルチセンサーボイスの大きな特徴は、声と周囲の音を解析してノイズを低減させる際に、一番抑えるのが難しいという「風切り音」に対して、新たに骨伝導センサーを採用することで対応した点だ。通話時の環境で、あまりノイズが多くない場合は、内蔵する複数のマイクと音声アルゴリズムが起動し、これらの組み合わせによりユーザーの発している声と周囲のノイズを分析してクリアな通話を実現する。風の強い場所など騒音環境下での通話時には、骨伝導センサーが喋っている時の顎の音をピックアップし伝達する。環境の判断は内蔵マイクによって行われ、環境ノイズをキャッチした際に風が強いことを察知すると、骨伝導センサーが起動する仕組みだ。通話時にマイクで収音した音声か、骨伝導から伝達される音声か、どちらを使用するかは、音声アルゴリズムが分析して判断し、よりクリアな音声を使用するのだという。こうした技術革新には、Jabraを有するGNオーディオグループならではの強みも活かされている。医療(補聴器)/ビジネス向け/コンシューマー向けと3つの事業を有しており、「各分野で得た知見や技術から、良い点を掛け合わせながら、それぞれの製品を進化させている」という。その一つが、前述した高い音声通話の技術である。もう一つ、Eliteシリーズに共通して、グループ内でのノウハウが活かされた点が「筐体の小型化」。これには補聴器開発における技術が活用されている。補聴器設計の技術と最新耳型データを活用して、小型かつ快適な装着性を実現担当者いわく、市場ではコンパクトで装着性の高いイヤホンが求められているとし、さらなる小型化を検討。その中で「補聴器はいかにコンパクトに作るのかが重要で、その技術ノウハウを活用した」と語る。新製品では、新たに取得した62,000件もの耳型データをベースにした、あらゆる耳にフィットしやすい形状を採りながら、小さな筐体に仕上げられている。またその小さな筐体に技術を詰め込むため、「オーディオや通話テクノロジーの改善も図り、小型化と高品位な音と機能を実現した」と強調する。実際、Elite 7 Proは音質にも妥協はない。ドライバーは従来品を新たにカスタマイズし、さらに内部の部品配置など音響設計の工夫も凝らして最適化を図ることで、高品位なサウンドを実現しているのだという。また、イヤホン市場でトレンドのノイズキャンセリング機能もしっかり搭載。独自のアクティブノイズキャンセリング機能は、アプリで個々人に合わせて効果をパーソナライズでき、さらに利用シーンに合わせて効き具合を5段階で調整することも可能だ。装着感の面では、イヤホンの小型化に加えて、独自のイヤージェル(イヤーピース)もポイント。「密閉性を高めるために重要な要素」であり、「Elite 7 Proでは真円のデザインとし、フィット感を高めて、不要な音はしっかりシャットアウトできるパッシブな遮音性も確保できた」という。機能面においても、リモートワークで需要の高まる「マルチポイント」と「片耳モード」にも対応するなど、あらゆる場面でマルチに使いこなせる仕様を突き詰めている。「Elite 7 Acitve」は、同社が「Jabraシェークグリップ」と呼ぶ装着性を高めるための工夫により、運動時にもより外れにくい仕様とした点が大きな特徴である。基本性能は、上述したElite 7 Proと多くの共通点を持つ。同じドライバーを用いており、高音質を継承。他にも本体形状やANC機能、防水性能やマルチポイントといった機能面も共通しており、本モデルは名前の通り、特に “アクティブな日々を送るユーザー” に向けて、より確かな装着感を提供する。Jabraシェークグリップは3つの特徴がある。1つは、好評のウイングフリーデザインを引き続き採用した点。これはスポーツ向け製品で用いられる、耳に引っ掛けることで装着性を高めるイヤーフィンを不要としたもので、イヤホンの着脱もしやすく、見た目にもスタリッシュだ。もう1つは、新規取得した多数の耳型データを元にデザインされた本体形状の採用。75t Activeからは約16%の小型化を実現しており、従来以上にあらゆる耳にフィットしやすくなっている。最後に、独自のリキッドシリコンラバーが組み合わさることで、激しい動きでもずれにくい使用感に仕上げられていること。Elite 7 Acitveで使用するリキッドシリコンラバー素材を、担当者は「従来よりも柔らかさを感じる。しっかりフィットするが、肌触りもよい」と説明。汗にも強く、すべりにくいのはもちろん、何度もテストを重ねて肌に優しい素材を選んでいるという。なお、Jabraマルチセンサーボイスは搭載していないが、4基のマイクによる収音力を備え、マイクメッシュの起用により、屋外でのワークアウト時の通話でも風切り音を防止するなど、通話品質も確保している。担当者はその通話性能について、「Elite 7 Proにも言えることだが、内部のアルゴリズムが特に大切。マイクで拾った音から話者の声と環境音を判断する性能の改善が図られており、クリアな通話を実現できている」と説明する。また、Elite 7 Pro/Activeには共通して、Jabraが提供する、ユーザー個々人に合わせた聞こえ方にカスタマイズできる「パーソナライズ」機能が利用可能だ。ANCの効果や音質、フィット感、操作コマンドなど、あらゆる面を自分好みにカスタマイズできる。従来Eliteシリーズから続く魅力の1つといえる、ユーザーフレンドリーな仕様を、新製品もしっかり継承している。■約8割が完全ワイヤレスイヤホンを使用。音楽だけじゃない、活用シーンの変化ここまで新製品について詳しく伺ってきたが、そもそも人気のあった製品シリーズを一新したのは何故なのだろうか? その背景には、やはり昨年来から続くコロナ渦における、人々の生活の変化があるという。外出の機会が減り、直接友人らと会って話すことも少なくなるなど、生活が一変した人も多いだろう。ビジネスの場面でも、リモートワークが普及し、商談や会議などはオンラインで実施されることが増えている。そうした環境変化を受けて、イヤホンの市場もこれまでと違う動向を見せている。Jabraいわく、その変遷は世界中のユーザーを対象としたさまざまな調査結果から読み取れるという。Qualcommが実施するワイヤレスオーディオトレンド調査によると、現在のイヤホン市場において、完全ワイヤレスイヤホンが占める割合は拡大しており、ユーザーのうち約8割が完全ワイヤレスイヤホンを使用しているという。また、イヤホンを利用する目的として、「音楽を聴く」ことに次いで2番目に「音声通話」が挙げられる。上述の通り、リモートワークが普及したことで、音声でのコミュニケーションに対するニーズがより高まっているのだ。さらにJabraの独自調査によれば、従来のEliteシリーズユーザーのうち、半分以上の約64%がスポーツ用途を想定した「Active」モデルを愛用しており、音楽と音声通話の側面だけでなく、ワークアウトなどあらゆる生活の場面でイヤホンが活用されていることがわかる。こうした結果からJabraは、完全ワイヤレスイヤホンに対して、音楽を聴く以外に、「音声通話」と「スポーツ利用」での高い機能性が、これまで以上に求められていると考え、「従来の製品展開だけでは、ユーザーニーズを満たすのに不十分。現在の市場環境に合った、新たなセグメントのニーズに応えられる製品展開を目指す」として、これまでプレミアムラインとして展開してきたEliteシリーズを進化させたのだという。今後については、ビジネス領域を超えたグループ内の技術連携も強化するとコメント。たとえば、聴覚サポートだけでなく、音楽聴取や通話用としても機能する完全ワイヤレス型「Jabra Enhance Plus」なども登場している。かなりコンパクトな筐体で、こうした技術革新がコンシューマー製品にもどんどん活かされていくのだという。そして、人気製品シリーズを一新したJabraブランドでは、まずは「Elite 7 Pro」「Elite 7 Active」の登場が待たれるとともに、今後に向けてはEliteシリーズのラインナップ拡充を図り、「より多くのユーザーに使ってもらえるよう尽力していきたい」とした。さらなる進化と展開が期待される。1万円以下で手に入る!「Elite 3」を試す■お手頃価格でJabra品質が楽しめる「Elite 3」を試してみた1万円を切る価格帯で手に取りやすい「Elite 3」。9月16日から発売開始され、現時点で新Eliteシリーズに触れることができる唯一のモデルだ。Elite 3は主に若年層のユーザーにフォーカスを置いたとするモデル。Jabraによるとこの世代は、音楽を聴いたり、動画を楽しんだり、通話やSNSなどで音声コミュニケーションに使ったりと、幅広い用途においてイヤホンを常に活用するヘビーユーザーだという。加えて、音質へのこだわりも強いとされる。そこでElite 3では、従来品とは異なるドライバーを選別して採用。内部の構造や部品配置の最適化を図り、ベストな音響構造を追求した。さらに、流行の音楽をより楽しめるようなチューニングを施し、パンチの効いた低音を聴かせるサウンドに仕上げられている。また新製品の中で唯一「aptX」コーデックにも対応しており、ワイヤレスでも高音質を楽しめる。そのうえで、「周りからどう見られるか」という点にも気を配るユーザー層だとJabraは分析。そこでデザイン面では、常に身につけて使うものとして、トレンド感のあるおしゃれな仕上がりを追求したとする。前述のとおり、62,000件の耳型データを元にフィット感を追求して設計した本体形状に加えて、さまざまなファッションにも合わせやすいよう4色のバリエーションを用意。定番のブラックやネイビーのほか、北欧ブランドらしいライラック、そしてホワイトと、性別問わず選びやすいラインナップになっている。早速、iPhone12 miniとペアリングして、Apple Musicで最新楽曲を中心に再生した。BLACKPINK・LISAのソロデビュー曲「LALISA」やカップリングの「MONEY」は、力強いラップとリズムが印象的なヒップホップ楽曲なのだが、Elite 3のパンチのあるサウンドがぴったりとはまり、エネルギッシュな音楽をよりいっそう楽しませてくれる。BTSとColdplayのコラボレーションが話題の「My Universe」でも、壮大なバックミュージックとともに、太いリズムもしっかり刻まれるが、低音が効きすぎて他が埋もれることはなく、複数のボーカルが重なり合う部分やコーラスも美しく再現。コラボレーションの醍醐味をしっかりと味わえる。他にも、THE ORAL CIGARETTES「Mr.ファントム」では印象的なギターパートやドラムのシンバルなど高音もクリアに楽しめ、ロックなバンドサウンドにも相性が良いように思う。全体を通して、音楽がより近く感じられるような聴き心地が印象的だった。アプリから音質調整ができるのもメリットの1つ。プリセットには「ニュートラル」「音声」「低音ブースト」「トレブルブースト」「スムーズ」「エネルギー」の6つを用意する。個人的には、少し低音から中音域が強化されるように聴こえる「スムーズ」がお気に入り。特に外で使用する際に設定しておくと、より音楽に没入できるように感じた。Androidスマートフォンと組み合わせれば、先に紹介したaptXでの再生にも対応する。また、Spotifyのワンタッチ再生にも対応しており、両方のユーザーであれば、よりスムーズな操作性と高音質を、1万円以下の価格で手にすることができる。なおノイズキャンセリング機能は非搭載だが、本体形状を再設計してフィット感を高めたことで、パッシブな遮音性を高レベルに実現している。実際、3サイズあるイヤージェルの中からフィット感の良いものを選択して装着すると、イヤホンが耳にピタッと収まり、ある程度の騒音はシャットアウトしてくれる。さすがに、地下鉄の大きな走行音やアナウンス音声であったり、道路沿いを歩いている際のロードノイズなどは聞こえるものの、そうした音でも程よく低減効果も感じられ、窮屈な感じもなく使い心地が良かった。おさまりが良い装着感のおかげで、イヤホンが耳から飛び出たようにならず、正面から見るとイヤホンを着けていないかのよう。洗練されたデザインで、スッキリと身につけられるのが嬉しい。Zoomでのビデオ会議でも活用してみる。音声通話状態になると自動的にヒアスルーモードに切り替わり、周囲の環境音を確認しながら会話することができるので、より自然な状態で会議に臨むことができる。通話品質は、4つのマイク搭載により、声をしっかりとピックアップして届けてくれる。会議相手に確認してみたが、クリアで聞き取りやすいと評判だった。また相手の音声の聞こえ方も明瞭だが、アプリから「音声」を選択すると、人の声の帯域を持ち上げてより聞き取りやすくしてくれるのでおすすめしたい。

編集部:川田菜月

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