2020年12月8日(火曜日)、Appleは、オーバーイヤーヘッドフォン『AirPods Max』を発表。12月15日(火曜日)から販売開始。価格は、6万円超えの6万1,800円。税別なので、税込みだと6万7,980円と約7万円に近いヘッドフォンとなる…。
あえてAppleが、この高価格帯で挑んできたのは…Appleが2014年に30億ドル(3,000億円)で買収した Beatsのヘッドフォン製品との差別化にあるのではないだろうか?
Appleと同じ『Apple H1チップ』を搭載したオンイヤータイプの『Beats Solo Pro』が2万9,800円であり、オーバーイヤーの『Beats Stusio3』が3万4,800円の価格帯で存在しているからだ。スペックを見比べてみても、『抽象的スペック』の違いくらいしか見当たらないくらいだ。
■『AirPods Max』のネーミングに驚いた…
事前に『AirPods Studio』と噂されていたが、今回は、『AirPods Max』としてリリースされた。
そもそも『Max』とはiPhone11の前の『iPhone XS Max』から登場した同じカテゴリーのサイズアップ版を意味している。『iPhone6〜8』時代では『Plus』と標榜されていた。
…ところが、この『AirPods』『Max』はイヤフォンとヘッドフォンという同じジャンルの別カテゴリー製品だ。いわば、iPhoneとiPadくらいの差はあるだろう。とても、『Pod(さや状)』の製品ではないが、『AirPods』シリーズの最上最大の機種『Max』と位置づけられたのだろう。
■高価格帯製品の充実をはかるライン?
このところAppleは、ラインナップの『Pro』シリーズに高価格機種を位置づけている。『MacPro』『iMac Pro』『Pro Display XDR』などだ。『MacBook Pro』などは『MacBook Air』との差別化が非常に難しくなってはいるが、今回の『AirPods Max』は確実に『Pro』ラインとなっているだろう。
『Beats』との差が、はっきり明確なのは価格差なんだろう。
■なぜか『抽象的スペック』がやたら多い『AirPods Max』
今のところ、スペックを確認する限り、どれほど、オーバーイヤー型の『Beats Stusio3』と『差別化』された製品かは理解できない。
『AirPods Max』の特徴は、
1.原音に忠実なサウンド
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— Theron Bretz Wed Jul 14 15:08:56 +0000 2021
2.アダプティブイコライゼーション
3.アクティブノイズキャンセリング
4.空間オーディオ
…などを含めた『コンピュテーショナル(高度の数学的手法とコンピューターシミュレーションを取り入れた設計手法)オーディオ』ということだ。
なんと言っても…
『(左右)それぞれのH1チップが持つ毎秒90億回の演算処理が可能な10個のオーディオコアを活用したコンピュテーショナルオーディオにより、アダプティブイコライゼーション、アクティブノイズキャンセリング、外部音取り込みモード、空間オーディオといった画期的なサウンド体験を実現しています』と『抽象的スペック』で語られても、これだけは自分の持っている耳で確認するしかない…。
高級ヘッドフォン、高級スピーカーとなれば価格対性能比は限りなく差がすくなる傾向がある。
6万円オーバーのヘッドフォンの『音質の違いがわかる耳』と『それなりの音源のリファレンス』を持っている必要がいりそうだ…。
映像を見ても、どうやら『感性』で聞き取るほうが良さそうだ
『AppleTV+』などの映画を視聴すると、頭の位置に合わせて音場が移動することがよくわかる…。
しかし、映画やテレビを見ながら、どれだけの人がヘッドトラッキング機能で首を左右に振るのだろうか?むしろ、『ゲーム』や『ライブ音楽』などのように360度の『音場』の動きが活用できる部分での利用シーンが想像しやすい。
気になるのは、『AirPods Max』本体が384.8gあり、缶ビールの355ミリ缶相当の重量と、Lightning-USB-Cケーブルで充電するところだ。
すでに、USB-Cの普及とLightningケーブルの優位性がそれほどでもなくなっている。Lightningを採用するのはAppleのライセンス収益の理由くらいしかもはや考えられない。
『ワイヤレスヘッドフォン』という新たなジャンルに挑んだApple。
この『価格設定』は、どことなくAppleの、売れないスマートスピーカーの『HomePod』の二の舞感がしてきて仕方がない。『HomePod mini』が出てきても今さらな思いだ。
まずは、AppleStoreで自身の耳でお値段相当なのかの価値を確認してみてからでも遅くはないと思う。